2024年9月(長月) 聴く力について

2024年9月(長月) 聴く力について

台風や豪雨による災害に遭われた皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。

今後も発生する恐れがありますので、どの地区の皆さまも十分にお気を付けください。


聴く力

コミュニケーションの大切さは、仕事においてもプライベートにおいても誰もが思うところでしょう。

人間関係が上手くいくかいかないかは、そのほとんどがコミュニケーション不足による行き違い、思い込みなどから生じるといっても過言ではありません。

よく「会話はキャッチボール」と言います。こちらが投げた質問と答えがマッチしているとスッキリするものです。しかし、ちょっとでもズレると気になるのはカウンセラーの職業病でしょうか……先日、同級生の女性3人で話をしていた時、こちらが話をし始めたところ、別の1人がその言葉に反応をして話を持っていってしまい、そのままどんどん違う方向へ。話題を持ちかけたこちらの話を出しきれず、なんとも消化不良な気分になりました。 

無意識に話を行き違わせてしまいがちな癖には以下のようなものがあります。

  • 言葉を被せる(話を遮る)

相手が話を言い終わらないうちに言葉を被せて話し始める。

  • 話の横取り

相手の話題に関連した言葉から自分の話題に持っていってしまう。

  • 質問に質問で返す

質問に対して自分の答えを言わず、相手に質問をする。

例えば、「○○についてどう思われますか?」→「あなたはどう思いますか」などと返す。

  • ネガティブな返事ばかりする

マイナスなことに焦点を当て、答えが全てネガティブな話になる。

  • 話を膨らませない

質問に対して「まぁ、色々ですね……」などと一言でまとめてしまう。


会話のキャッチボールの極意

キャッチボールとは、投げられた球を受け取り、相手の取りやすいところへ投げ返ることです。つまり、質問にはきちんと答え、その次には違う質問をしてみることなどを意識してみましょう。

カウンセリングには、話し手が話す内容を要約するなどし、その言葉を「伝え返し」する技法があります。そうすることで、話し手は、聞き手が自分の話に共感・理解してくれるということが確認でき、「聴いてもらえている」という印象を抱けるのです。

特に感情表現の言葉が出たら、それを伝え返しすると、話し手は「感情に寄り添ってもらえている」という気持ちになります。

例えば、こんな感じです。

Aさん「最近、仕事が忙しくてイライラするんだよね」

Bさん「そう、忙しくてイライラしちゃうのね」

カウンセリングの技法「傾聴」

カウンセリングで使う技法で、クライアントの話にしっかり耳を傾けることを「傾聴」と言います。

自分の話を聴いてくれる人の話は、相手も聴いてくれるようになるものです。カウンセラーであるかどうかにかかわらず、傾聴をできるようになると、相手との信頼関係が構築されます。

「傾聴」については、折をみてもう少し触れたいと思いますが、まずは、会話のキャッチボールを阻害するような癖がないか、自分や周りの話し方に注意をし、気づいてください。そして、自分のほうから会話のキャッチボールを意識してみましょう!

きっといつも以上にスムーズな会話になってくることでしょう。