直前まで何かと物議を醸していた東京オリンピックが折り返し地点を過ぎ、いよいよ終盤へと差し掛かってきました。
あらゆる競技の選手が、これまでの成果を発揮し、メダルの有無にかかわらず真摯に取り組んでいる姿には心を動かされます。
7/23の開会式当日には、渋谷区神宮前にある弊社施設のベランダから見上げた空に、ブルーインパルスが5色のスモークと共に現れ、五輪の輪を描く姿が!
その雄姿は、全てを忘れてしまうほど美しく、とても感動的でした。
オリンピック選手は完璧主義者?
オリンピック選手を見ると、目標に向かい、日々ストイックに練習を重ねる姿が想像されます。どの選手も「完璧主義者なのではないか」と思いがちかもしれません。
では、完璧主義者とは一体どのような人なのでしょうか?
ウィキペディアでは「万全を期すために努力し、過度に高い目標基準を設定し、自分に厳しい自己評価を課し、他人からの評価を気にする性格を特徴とする人のこと。定められた時間、限られた時間の内にて完璧な状態を目指す考え方や、精神状態のことである。このような思想を持った者や、そのような心理状態の者を完璧主義者と呼ぶ。」とあります。
トップアスリートは、目標設定が高く、自分に妥協を許さず厳しい面がたしかにありそうです。しかし、彼らが重要視しているのは、“他人の評価”ではなく、本番にベストを発揮すること。そのために、自分自身との闘いに負けない精神力や、心身のトレーニング、食事や睡眠といった多く要素をコントロールしています。
これは、単なる完璧主義者ではなさそうです。
完璧主義者が陥りやすい考え方
オリンピック選手に限らず、トップアスリートがミスをした時、気持ちを上手に切替える姿を目にします。それは、現実把握が早く、自己コントロールができているからこそ。
しかし、一般人である私たちは、そこまでの自己コントロールは難しく、ミスをした場合、自分を責めて落ち込んだり、イライラしたりすることも多いのではないでしょうか。
カウンセリングのために来室される方には、完璧主義者が案外多く、ストレスを抱えやすいように見えます。
完璧主義者には、考え方にいくつかの共通する傾向があるようです。
① 目標に近づくと、さらに目標を上げる。
⇒達成感を味わえない。
② 色々な人の理想的な部分を集めて理想像を作り上げている。
⇒出会ったことなどないようなスーパーマンやスーパーウーマンを思い描いている。
③ いつも目標(頂点)ばかりを見ている。
⇒通ってきた過程をしっかり認識していない、または、できて当たり前だと思っている。
完璧主義への対処法
完璧主義者であることは悪いことではありません。
しかし、自分にとって辛い考え方だとしたら、少し見直す必要がありそうです。
そのような場合は、次のような考え方を取り入れてみると良いでしょう。
① スモールステップ(目標を細かく分け、小さな目標を1つ1つ達成していくこと)を設定し、
目標をクリアするたびに達成感を味わう。
② 他人の一側面に過ぎない理想的な姿しか見ていないことに気付き、その人にも欠点があることを理解し、自分に欠点があることも当然だと考える。
③ 今までやってきたこと、通ってきた道を振り返り、できていることを確認する。
世界最高峰のアスリートが集うこの機会、ぜひメンタルの部分でも選手たちを観察してみましょう!