2019年12月(師走) 「名医が伝授!いい加減に生きるコツ」帯津良一先生講演会レポート
二十四節気・・・
大雪(たいせつ) 12月 7日 山地だけでなく、平地にも雪が積もり始める頃。本格的な冬の到来。
冬至(とうじ) 12月22日 昼の時間が最も短い日。
2019年11月23日に、弊社主催の講演会を開催しました。
タイトルは「名医が伝授!いい加減に生きるコツ」。
医療の現場で病を得た患者さんたちと向き合い続けている帯津良一先生の信念や元気の秘密を、より多くの方々に知ってほしいという強い想いから企画したものです。
今回は、当日語られた“帯津流養生法”のエッセンスの一部を紹介します!
帯津良一先生とホリスティック
講師の帯津良一先生は、埼玉県川越市にある帯津三敬病院名誉院長やNPO法人日本ホリスティック医学協会名誉会長などを歴任されている、1936年生まれの83歳。
現在も現役で、患者さんの診察を行っています。
先生が掲げている「ホリスティック」とは、「全体的な」とか「包括的な」という意味の言葉。【からだ】だけでなく、【こころ】と【いのち】を含めた人間丸ごとを対象にする医療です。
先生は、東大医学部第三外科に入局後、都立駒込病院で外科医長を務め、主に食道癌などの手術や治療を行っていく中で西洋医学の限界を感じ、代替療法も取り入れた治療を行うようになりました。
帯津三敬病院は、そうした治療を求める患者さんが全国から訪れています。
先生は、ご講演の中で、代替療法は【こころ】へのアプローチが得意で、西洋医学の治療に加えることで自然治癒力が高まるとおっしゃいました。実際に病院で実践されているのは、鍼灸・ビワ温灸・心理カウンセリング・ホメオパシー・気功・音楽療法・アロマセラピー・イメージ療法・太極拳・ヨーガ療法とバラエティ豊か! なんと病院内には道場もあり、外来や入院患者さんが気功や太極拳を行っています。
場のエネルギーを高めるために
帯津先生曰く、「ホリスティック」とは、臓器と臓器間の目に見えない繋がりを大切にし、場のエネルギーを高める医療。患者さんの開腹手術を数え切れないほど経験され、実際に臓器のありようを見続けてきた先生ならではの表現です。
続けて、臓器のコンディションだけを見るのではなく、患者や医療者が一体感を持って【こころ】をひとつにする”寄り添う医療“が大切だと指摘されました。事実、先生と患者さんとは常に戦友の間柄。一緒に治療の戦略を立て、患者さんの【いのち】の場を引き上げることを心掛けているそうです。
そんな先生の元気の秘訣は、自ら行っている養生法。とはいえ、堅苦しいところが一切ないのが帯津流です。
食養生のコツは、好きなものを少しだけ食べること。
気功や太極拳で体と呼吸と心(精神)を整え、「調身・調息・調心」を実践することで日々の診療に向かうエネルギーを高めているとか。「目に青葉(旬の食べ物)、“朝の気功に夜の酒”」を長年モットーとしてきたと、茶目っけたっぷりに明かされました。
講演会の最後には、参加者全員で、帯津先生が考案された呼吸法「時空」を実施。初めて経験された方も多かったですが、皆さん一様に「とても気持ちよかった」と喜ばれていた笑顔が印象的でした。
いい加減に生きるコツ
講演の終盤は、いよいよ帯津先生の「いい加減に生きるコツ」の披露です。
「大事なことはいい加減に決めてきた」。その言葉の真意は、「流れに任せる」です。
58年もの間、癌治療の現場に立ち続けて分かったことは、心のトキメキが生きる力になること。たとえば、200人以上からなる「患者会」という組織の中で、他の会員の世話役を買って出た人に病の再発は見られないそうです。「誰かの役に立ちたい」という心のトキメキが活力を高めているということなのでしょう。
帯津三敬病院99床あるうちの実に4分の3が癌患者さん。
1週間に1人は亡くなられていく中で、「キリストの最後の晩餐のように『今日が最後』と思って生きています」。
そう力強く話を締めくくられた先生が率いる帯津三敬病院の基本理念は「今日よりよい明日」です。