2016年11月(霜月) 「病名はつかないけど不調」~健康と病気の間にあるものとは~
二十四節気・・・
立冬(りっとう)11月 7日 暦の上では冬の始まり。冬の気配が感じられる頃。
小雪( しょうせつ )11月22日 日差しが弱まり、いちょうやかんきつ類が色づく頃。
紅葉のニュースも聞かれるようになり、朝晩を中心にめっきり肌寒くなってきました。
寒くなると、気になるのが「冷え」です。
まだ秋口だというのに手足が冷えてうまく寝付けない、そんな方はいませんか?
病名はつかないけれど不調。
今回は、そうした状態の捉え方について考えてみましょう。
「健康」と「病気」のはざまにあるものとは?
病名はつかないけれど不調。
そのような状態を、漢方の考え方では、「未病」(みびょう)といいます。
私たちの健康状態は、「健康」と「病気」が明確に区分されているわけではありません。 「健康」と「病気」のはざまにあって、半健康・半病気の状態が「未病」です。
- 病気の自覚はないが、健康診断の数値が少し悪化した
- なんとなく不調だが、検査では何も異常がない
こうした状態も、漢方では「未病」と捉えます。
「未病」とは、なにも身体的な不調だけではありません。 気持ちの面でも同様です。
気力や活力といった点で、「今まで通りではない」と感じることがあれば、「未病」である可能性があります。
心身の「健康」を保つため、そして、なによりも「病気」にならないためには、「未病」を減らし、より健康的な状態に近づけることが肝要です。 治療というよりは、調整といったイメージのほうが近いかもしれません。
そのためには、食生活や、運動、心身両面における休養、社会参加などのライフスタイルを見直していくことが必要です。
古の中国では、「未病」を治療する医師は「上工」(良医)と呼ばれていたといいます。
すなわち、
生活習慣を改善することができれば、あなたは、自分自身にとって最良の医師になれるということです!
あなたの「未病」タイプは?
体の「冷え」ひとつとっても、原因は、その人の体質や生活習慣によるものなどさまざまです。
「未病」の傾向を見出すには、漢方医など専門家に診てもらうこともひとつですが、チェックリストを活用してみるのもよいでしょう。
興味のある方は、以下のサイトなども活用してみてください。
▶未病チェックシート | http://me-byo.com/
「未病」へのアプローチ = 養生の3つのバランス
「未病」を改善するための生活習慣の改善というと、難しそうに感じてしまうかもしれませんが、「できることから、養生を心がける」と考えれば、少しは取り組みやすくなるでしょうか。
なにも大それたことを始めようと考える必要はありません。
なにかひとつ、ほんのささいなことからでも始めることができれば、自然に好循環ができてくるものです。
日常的な養生ポイントには、大きく分けると、以下の3つの視点が考えられます。
1 飲食のバランス
栄養面のバランスも大切ですが、飲食物の「寒涼」「温熱」のバランスにも注意を払いましょう。
2 活動と休息のバランス
仕事や運動などで活動すれば、必ず疲れる状態になります。
疲労したら、休息しなければなりません。
もっとも効率的かつ重要な休息の方法は、睡眠です。
睡眠については、「2015年1月(睦月)よき眠りにいざなう3STEP」を参照してください。
3 精神面のバランス
ストレスゼロ生活の実現は、現実的には不可能ですし、適度なストレスは、成長や適応能力を高める意味でも必要です。
しかし、過度な、あるいは長期的なストレスは、心身の健康に悪影響を及ぼします。
睡眠や気分転換によるストレスの軽減や、ストレスの原因の解消方法を考えてみましょう。
何をすればいいのか分からない……そんなときには、いつでもご相談ください。