2014年10月(神無月) 今あらためて、アロマセラピーミニ講座

2014年10月(神無月) 今あらためて、アロマセラピーミニ講座

2014年10月(神無月) 今あらためて、アロマセラピーミニ講座

二十四節気・・・

寒露(かんろ)10月8日 露が冷気で凍りそうになる頃。
霜降(そうこう)10月23日 露が冷気で霜になり降りてくる頃。

フワ~ッと金木犀の香りが漂い始めると秋を感じます。10月30日は「香りの記念日」。1992年に開催された「世界の香りフェアIN能登」(石川県七尾市)にちなんで制定されたそうです。

太古の昔から植物の恩恵を受け続けてきている私たち。
香りを活用した起源は古く、すでに紀元前4000年頃に、香りをたいた儀式や、医術と呪術が絡み合った治療に植物が使われていました。

現代の薬の多くも、植物の中の有効成分を抽出し、化学的に合成したものです。
最近は、医療現場や介護施設でも導入が進んでいます。
アロマと聞くと、「よい香りでリラックス~」のイメージだけで、こころやからだに働くメカニズムをご存じでない方もいらっしゃることでしょう。

そこで今回は、アロマセラピーの作用についてのお勉強を少しだけ。


体内に取り込まれる3つのルート ~からだに吸収される仕組み~

  1. 鼻から大脳へ
    精油の成分を吸い込むと、分子が鼻腔上部の粘膜に付着。その情報が電気信号となって脳の深部、大脳辺縁系(感情や記憶に関わる)に作用します。
    さらに視床下部へ伝わり、自律神経や内分泌系・免疫系に作用し、生理・情緒反応を起こします。
  2. 肺から全身へ
    呼吸で、精油の成分が、空気と一緒に肺の粘膜に取り込まれ、ガス交換によって肺胞から毛細血管に入り、全身へ運ばれ、組織や器官に働きかけます。
  3. 皮膚から全身へ(入浴、塗布、トリートメントなど)
    分子量が小さく、皮膚に浸透しやすい精油の成分は、毛穴や汗腺、皮脂腺から取り込まれ、毛細血管やリンパ管から体内に入り、血流に乗って全身へ運ばれ、組織や器官に働きかけます。

自分の落ち着く香り、幸せになる香り、心地良い香り……など、日常の中で好きな香りを見つけてみましょう!


皮膚は外に出た脳 ~発生学から考えるアロマトリートメントの効果~

アロマセラピーのトリートメントは手を使います。皮膚から成分を吸収する以外にも、タッチングにはよい効果が。ちょっと難しい話になりますが、発生学の観点から説明します。

発生の最初、受精卵は、細胞分裂を繰り返し、外胚葉・内胚葉・中胚葉に分かれます。そのうち、外胚葉が外側に露出したのが皮膚、内側に入り込んだのが脳と神経。つまり、皮膚と脳・神経の出どころは一つなのです。

従って、皮膚への刺激は、間接的に脳を刺激することにつながります。ゆっくりと皮膚をなでることで脳が落ち着くのもうなずけます。