2012年8月(葉月)暑~い奄美大島の食生活

2012年8月(葉月)暑~い奄美大島の食生活

2012年8月(葉月)暑~い奄美大島の食生活

二十四節気・・・

立秋(りっしゅう) 8月7日 暦の上では秋になりますが、暑さ真っ盛りの時。
処暑(しょしょ) 8月23日 “暑さが止む”という意味。夏バテが出やすい時。


8月の和風月名は「葉月」です。新暦の9月から10月初めに重なるため、木々の葉落ち月(はおちづき)とか、雁が初めて来る初月(はつき)とかいう説が古くからあるそうですが、こう連日猛暑が続くとピンときませんね。

さて今月は、日本狭しといえども、地方ごとに残る独自の食文化や風習の中から、暑い地方で昔から受け継がれてきた暑さ対策をご紹介します。鹿児島県は奄美大島では、いったいどのように暑い夏を乗り切っているのでしょうか?


夏バテ予防の冷製あずき粥

お粥は温かいものと思っていましたが、夏の間、奄美地方では、塩も入れずあずきだけで作られたお粥を冷蔵庫で冷やして食べます。この冷製あずき粥、どこの家庭でも冷蔵庫の中に常備されているそうです。食欲のないときもサラサラっと食べられ、暑さもしのげる夏の一品。スーパーでも売られているくらいの定番アイテムです。

発酵飲料

体に良いと人気の発酵食品ですが、奄美地方には自然発酵させた伝統的な飲み物があります。名前は「ミキ」。

もともと神事に使われていた「お神酒(オミキ)」が名前の由来ではないかといわれています。原料は白米・砂糖・サツマイモのみなので、アルコールを含まない健康飲料として昔から愛飲され続けてきています。昔は家庭で作られていたそうですが、現代では牛乳などと一緒にスーパーに並び、手軽に購入できます。口を開けると発酵が進み、自分の好みの酸味で飲みます。甘酒のようなトローッとした食感で、甘酸っぱく、お腹に良さそう~という感じがします。沖縄地方にも同名の飲料があるようです。

ケガといえば……

お店に天然木のチップが売られていて、何かと思えば、薬木として煎じて飲むのだそうです。通称“くび木”、正式名称は「ナワシログミ」。その幹を小さく切って乾燥させたものがその正体。

破傷風の時の化膿止め効果があり、昔から何にでも効くとされ、特にケガをした時は「くび木飲んどけ~」と言われていたそうです。やかんに20片ほど入れ10分煮詰めます。
意外とクセがなく、温冷どちらでも美味しく飲めます。夏は冷やしてのどを潤します。