2012年4月(卯月) 「眠れない」なら「どう起きるか」を考えよう
二十四節気・・・
清明(せいめい)4月4日 万物がすがすがしく明るく美しい頃。
穀雨(こくう)4月20日 暖かい春雨が百穀を潤し、芽を出させる意味。
長かった寒さもようやくやわらぎ、春の暖かな光で心もからだものびのび。休眠していた桜の花芽もいよいよ目覚めの時。各地ではお花見のにぎわいです。
4月の和風月名は「卯月」。卯の花(ウツギ)が咲く月、の意味で、12ヵ月で唯一花のついた月名でもあります。
不眠でお悩みの方、必見です
「春眠暁を覚えず」。この季節、眠くて眠くて……という方も多いでしょう。そこで、今月と来月は「睡眠」をテーマにお伝えします。カウンセリングルームを訪れる方の多くも、睡眠障害に悩んでいます。”眠れない”となると、どうしても「寝ること」に焦点を当ててしまいがちですが、まずは「起きること」について考えていきましょう。
睡眠の鍵は、脳内ホルモンにあり
メラトニンをご存知ですか?
脳の一番奥にある松果体から分泌される「眠り」に必要なホルモンです。そのメラトニンは、「覚醒」に必要で日中に分泌されるセロトニンというホルモンから作られます。
セロトニンは、朝の太陽光を浴びると、目から受ける光の刺激で分泌スイッチONになります。日が沈み暗くなるとOFFになり、今度はメラトニンがスイッチON。つまり、昼間セロトニンが十分に分泌されることで、メラトニンがしっかり働き、良質な眠りへと繋がるのです。
セロトニンを増やすには?
セロトニンの原料は、必須アミノ酸の一つ「トリプトファン」。これは、食品からだけ摂ることが可能で、ほとんどのタンパク質系食品に含まれています。特に多いのは、大豆製品・レバー・マグロの赤身・チーズ・乳製品・アボガト・バナナなど。毎回の食事で意識して摂りましょう。
セロトニンを働かせるには?
「太陽の光」と「リズム運動」が不可欠です。リズム運動は同じ動きを繰り返すこと。例えば、呼吸や歩くこと、噛むことです。ハードな運動でなく、簡単に楽しくできることを5~30分程度で十分! 朝、カーテンを開けて、朝ごはんをよく噛んで食べ、外に出たらリズムよく歩く。睡眠リズムを整えるためにも、暖かくなった春の朝から始めてみませんか。
参考文献:「朝の5分間脳内セロトニン・トレーニング」「睡眠ホルモン脳内メラトニン・トレーニング」(共に有田秀穂著)