2026年10月(神無月) 「いい子」の仮面を脱いで自分らしく生きる

2026年10月(神無月) 「いい子」の仮面を脱いで自分らしく生きる

9月は秋雨前線が本州南岸に停滞し、気象庁の発表によると、東京都心でも8月27日から異例の連続降雨となり、統計開始以降で過去最長を大きく更新する記録的な長雨となりました。雨空と湿気が続き、どこか気持ちが塞ぎがちだった方も多いのではないでしょうか。

10月に入り、ようやく秋晴れの爽やかな空を見ることができました。
これからも雨の合間、少しでも太陽が出たときは外に出て光を感じ、大きく深呼吸をしてみましょう。

さて今月は、友人から勧められて読んだ岡本茂樹著『いい子に育てると犯罪者になります』という一冊をご紹介したいと思います。著者は元立命館大学教授で、少年院や刑務所での受刑者支援に長年携わってこられた臨床教育学博士です。

本書に綴られた実例からは、私たちの日々の人との関わり方や、自分の本音を表現することの大切さについて、深く考えさせられます。


笑顔の裏に隠された本心

私、篠原は子供の頃、母親から「女の子は笑顔が大事」と言われ、どんな時も笑顔でいることが良いことだと思って育ちました。愛想が良いと褒められる一方で、気持ちが落ち込んでいる時も無理をして笑っていたように思います。

大人はそんな明るい笑顔の表面だけを見て「良い子ね」と褒めますが、家庭環境によっては「良い子でいよう」と苦しい気持ちを無意識に抑圧してしまいます。

その結果、大人からの褒め言葉がさらに抑圧を強め、ストレスが大きくなった末に、思春期などに突然の問題行動として表れてしまうことがあるそうです。

幼少期に刷り込まれた価値観

私たちは、知らず知らずのうちに幼少期にさまざまな価値観を取り込んで成長します。

その影響の原点は両親や兄弟姉妹など、身近な家庭環境にあります。

例えば、親の愛情を求めて兄弟で競い合ったり、自分に刷り込まれた価値観と合わない人を過剰に嫌悪したりするのは、生まれつきのものではなく周囲の環境によって形作られたものです。

なぜそのような価値観を持つに至ったのか、その原点である幼少期まで遡ることで、自身の心の仕組みが見えてきます。

グチを言える人間関係の温もり

自分が辛い時、誰かに話を聴いてもらうことで「支えられている」と実感でき、自分や他者を大切にできるようになります。そのためには、「子どもの心」のように素直に心を開き、「ありのままの自分」に戻ることが大切です。

感情を素直に表現することで本当の「心地よさ」が生まれ、人に優しくされた経験が、やがて他者へ優しさを向ける原動力となります。
言葉だけでなく、実際に誰かに頼ったり甘えたりしながら「助け合う」喜びを実感することが、大切なカギになるということです。

実際に受刑者との関わりの中で見てきた実例がいくつも記されており、人との関わり方(親子や家族間、友人など)や自分の本音や感情を表現することがなぜ大切なのかを見直せる機会になりました。

ご興味を持たれた方は、ぜひ手にとってみてください。