2012年12月(師走) 忘年会で癒されよう
二十四節気・・・
大雪(だいせつ)12月7日 山の峰々にも雪がかぶり、平地も雪が降る頃。
冬至(とうじ)12月21日 冬の折り返し地点。北半球では一年で最も夜が長い日。
12月の和風月名はいわずと知れた「師走」。
気忙しい年の瀬ですが、今月は忘年会の効用について科学的に迫ってみます!?
ホルモンが信頼関係を育む?
俗にいわれる「幸福ホルモン」をご存じでしょうか?
ほ乳類だけが持つこのホルモンの名前は「オキシトシン」。これまでにも、出産を促したり、母乳を分泌させる働きがあることは知られていました。しかし、近年の研究から、出産をしていない女性や男性にも、年齢に関係なく分泌されていることが分かってきました。
気になる効果は、
①人へ親近感、信頼感が増す
②ストレスが消えて幸福感を得る
③血圧の上昇を抑える
④心臓の機能をよくする
⑤長寿になる
どうやら、オキシトシンは、母性愛や人と人との信頼感、男女の愛情という心の状態を作り出しているらしいのです。
加えて、ストレスが消えて幸福感を得られるとは、まさに癒しのホルモンですね!
忘年会の意外な効用とは
オキシトシンが分泌されると、脳の扁桃体に働きかけて、「嫌い」「不安」「恐怖」「不快感」という感情を一時的になくします。出産した女性でなくても、赤ちゃんを抱いてスキンシップをすることだけでオキシトシンの分泌が促されるそうです。
さらに、スキンシップに限らず、会話をするだけでも、ストレスホルモンのコルチゾールが減少し、オキシトシンが増加することが分かってきました。つまり、仲間と楽しく語り合うことでも、オキシトシンが分泌され、ストレスを減少させられるということ!
パソコンやモバイル端末が普及し、フェイス・トゥ・フェイスの付き合いが希薄になりつつある現代。こんな時代だからこそ、井戸端会議で、年末の忘年会やクリスマスパーティで、年始の家族の集まりで、仲間との会話を楽しみながらオキシトシンをどんどん分泌させましょう。お互いの信頼関係と絆を強め、ストレス過多の日々から解放される絶好のチャンス!「忘年会なんて面倒で」とボヤいてしまったあなた。確かに面倒な人間関係もありますが、それを癒してくれるのもまた人間関係なのです。さっそく実践して、効果のほどをお確かめくださいませ。
参考文献:有田秀穂 著『「脳の疲れ」がとれる生活術 癒しホルモン「オキシトシン」の秘密』