2021年 4月(卯月) 健康の鍵は「脂質」にあり!

2021年 4月(卯月) 健康の鍵は「脂質」にあり!

2021年 4月(卯月) 健康の鍵は「脂質」にあり!

二十四節気・・・

清明( せいめい ) 4月 4日 すべてのものが清らかで生き生きしているという意味

穀雨( こくう ) 4月20日 穀物の成長を助ける雨のこと。穀物の芽が伸びる頃。

春になると、桜前線の話題で盛り上がります。今年は、3月11日の広島を皮切りに、全国的に、平年よりもかなり早く開花がスタート! 3月下旬には、開花前線が東北地方まで到達しました。
一方、緊急事態宣言は解除されましたが、昨年に続き、お花見などの宴会は各地で自粛中です。
それでも、桜色に包まれた日本列島各地のニュースに触れるたび、華やいだ気持ちになりますね。

体を構成しているもの

水を当たり前のように買うようになってどのくらい経つでしょうか。
一般的になり始めたのは、ウィスキーの水割り用として、業務用のミネラルウォーターが発売された1970年代前半だそうです。その後、1990年代になると、マンションの貯水タンクの水質汚染が問題となり、水の安全性が注目されるようになりました。今や、コンビニエンスストアの売上で多いのは、水とお茶に。水道水を飲むより、「美味しく安全な水は買うもの」という認識になりました。
ところで、私たちの体を構成している多くは、「水」と「脂質」と「タンパク質」。種類の多い水は、こだわりを持って選んでいる方も多いはずです。かたや、生きていくために必要な脂質についても、健康維持を目的に、「元気になる油」を選ぶ時代になってきています。
肥満が増えている昨今、脂質についての知識は、健康になるための鍵とも言えるでしょう。

脂質の重要性

脂質は、大きく分けて、「油」と「脂」があります。
両者の違いは、「油」は常温で液状であり、主に植物性。「脂」は、常温で固体、主に動物性です。
脂質というと、“太る”とか“コレステロール値”と関連付けられることも多く、悪者のイメージが少なからずあるかもしれません。
しかし、右表のように、大切な働きがあります。

脂質の種類 〜飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸〜

常温では液状で、植物油に多く含まれます。
不飽和脂肪酸は、さらに以下の3つに分類されます。

①オメガ3系(多価不飽和脂肪酸)
α−リノレン酸:エゴマ油・亜麻仁油、青魚などに多く含まれる。
体内でEAP、DHAに変換されるため、青魚の摂取が少ない人は積極的に取り入れたい脂肪酸。

②オメガ6系(多価不飽和脂肪酸)
リノール酸:紅花油・ひまわり油・一般的なサラダ油などに含まれている。
※スナック菓子や揚げ物に使われていることが多く、過剰摂取は弊害が多いので注意!

③オメガ9系(一価不飽和脂肪酸)
オレイン酸:オリーブオイル・なたね油・椿オイルなどに含まれている。
「オメガ6系」と「オメガ3系」は、どちらも体内で合成できないため、食事から摂取しないとならない「必須脂肪酸」です。
また、オメガ6系は、アレルギー促進、炎症促進、血栓促進、血液を固める役割。
それに対し、オメガ3系は、アレルギー抑制、炎症抑制、血栓抑制、血管拡張と、両者の体内での働きは正反対。
摂取する割合は、オメガ6系は8~11g、オメガ3系は1.6~2.2g と、おおよそ4:1程度に抑えておくことが大切と言われています。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」)

次回は、病気と油の関係や、体に良い油の摂り方についてお伝えします。
(参考文献:川村賢司『元気になる油、病気になる油』)